INTERVIEW #

11

変化していく商店街で、商いを続けること

德前惠智子さん(魚芳)

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2020.10.02 UP

比美町商店街にある『魚芳』は創業80年の氷見の老舗鮮魚店。地場産の鮮魚を一本買いできる氷見ならではの嬉しい鮮魚店だ。お店の中では、店主の德前惠智子さんが熟練の手さばきでイカの昆布締めを作る。取材中、来店する常連客にも、気遣いのある丁寧な接客をされていたのがとても印象的だった。過去には、商店街の地域起こしにも積極的に参加されていたという德前さんに、変わっていく商店街とその中で商いを続けてきた『魚芳』のことをお聞きした。

– 『魚芳』は創業何年になるんでしょうか?どんどん変化していく商店街で、ここまでお店を続けてこれた理由って何かありますか?

德前:創業して80年、有限会社になって60年で、私は三代目になります。主人が亡くなった時に辞めようかなと思ったこともあったけど、毎日来てくれるような常連さんもいるんでね。あとは単純に魚が好きなんですよ(笑)。だからできるかぎりやっていこうと色々と工夫しながらやってます。

– 氷見市でもやはり鮮魚店は減っていっているのでしょうか?氷見は、やはり魚の街。鮮魚店を見ると氷見に来たなぁという気持ちになります。

德前:昔は40軒くらいはあったと思いますがだいぶ減ったと思います。昔は、割烹屋さんなんかもよく仕入れにきたりしたもんですが、バイパスができて、それに連なってスーパーができて、少しずつ商店街から人が減っていきました。昔は商店街がデパートみたいなものでしたからね。

店内には、トロ箱に書かれた歴代のロゴが掲示してある。

– 新鮮な魚をお店の方が見繕ってくれるのはスーパーではない鮮魚店ならではのことだと思います。鮮魚店ならではのサービスって具体的にどんなことがありますか?

德前:やはり魚の一本買いができることは、鮮魚店ならではのことだと思います。年配の氷見の主婦たちは、ほとんどの人が魚を捌けるので昔は一本で買うのが普通でした。一本買って捌いて家で握り寿司なんかしてもとても楽しいですよ(笑)。 あとは刺身もフライも焼き魚も事前に注文頂ければ好きな魚で全部見繕うし、毎日魚のフライを買いにきてくれるような常連さんもいるので、なるべく毎日違う魚をフライにしたりはしてますね。あとは、刺身はその日に採れた新鮮なものだけしかお店に出しません。

冷蔵庫には様々な種類の新鮮な魚が入っている。

– 過去の商店街をずっと見てきた経験から、これからの氷見に期待することがあれば教えてください。

德前:私も地域を盛り上げるような活動が好きだからね、10年ちょっと、地域を盛り上げるような活動にも参加してたんです。よさこいを呼んでイベントをしたりもしましたよ(笑)。ただそういう大きい花火を打ち上げても、次の日にはもう元の商店街に戻っていてなかなか活性化につなげるのは難しかったです。大きな花火を打ち上げるのも良いとは思いますが、小さいことでいいから日常的にあちこちで楽しいことが起こっている街になってほしいです。そういうことが継続的にできるような仕組み作りが大事かなと思いますね。

魚芳

住所 / 富山県氷見市比美町9-3

TEL / 0120-720-422

営業時間 / 9:00〜17:00

定休日 / 日曜日

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