– 茶山さんは東京出身、旦那さんも横浜出身とご夫婦ともに都市部のご出身ですよね。都会から田舎暮らしへのシフトには生活のギャップがあると思うのですが、不安や迷いは無かったのですか?
茶山:もともと自然に囲まれた場所で生活がしたいという気持ちがあったので、主人の祖父母が住んでいた氷見に引っ越したのですが、引っ越した当初、小学生の娘は慣れない言葉に苦労したりはしていました。でも神奈川に住んでいた頃は高い建物に囲まれているようなところで暮らしていたので、「月はどこかな?」と思って、建物の合間を探すような感じだったんです。氷見は空がとても広いし、海も近いので、この景色がやはり氷見に来てよかったなと思うところです。移住して5年目ですが、この美しい景色にいまだに感動するくらいですね。だから無理して移住したという感じは全くなく、日々とても楽しいです。
– 『彦右衛門』を始めたのにはどういう経緯があったのですか?
茶山:両親が珈琲好きだったことがきっかけで、私も自然と興味を持ち、神奈川で暮らしていた時から珈琲の勉強をはじめました。その頃から、ゆくゆくは自宅でカフェを開きたいというイメージは持っていたので、富山に引っ越してからも『山町茶屋』さん、『談話室』さんで接客や珈琲の焙煎の仕方などを学ばせていただきました。
そのような感じで割とのんびり準備を進めていたのですが、ある日たまたまテレビの取材を受けたことがあって、その時にカフェを開く予定があることを言ってしまったんです(笑)。するとご近所さんからも「いつ開くんけ?」と聞かれるようになってしまい、のんびりしてるわけにはいかなくなって、一昨年『彦右衛門』をオープンしたという形です(笑)。
– まだお店をオープンされて1年ですが、実際にオープンしてみて感じることはありますか?
茶山:まずはご近所さんの憩いの場になれば…という思いがあって、こっそり小さく始めたんです。少しずつ広がっていけばと思っていた矢先にコロナ禍があって…。集客としては難しい状況ではあるのですが、いつも来てくださるご近所の方に無用な心配をかけずにゆっくりくつろいで欲しいので、宣伝という宣伝も特にしていませんね。
もともと家族との時間も大切にしながらゆっくりと働きたかったので、それは実現できていますし、多世代の方が利用してくださるので、いろいろなお話が聞けて、私自身とても勉強になりますし楽しいです。
– これから『彦右衛門』をどのようなお店にしていきたいですか?
茶山:この古民家は築98年なんです。そんな昔に経てたのに全然古さを感じないというか私の中では新しいなとさえ思うんです。新しく建てたものは数年後にさびれてしまいますが、こんな風に時間が経てば経つほど味が出ていくというのはとても素敵なことだなぁと思って。この『彦右衛門』も、ゆっくり時間をかけて味が出てくるようなお店でありたいと思っています。
彦右衛門
住所 / 富山県氷見市北大町10-5
営業時間 / 10:00〜18:00(LO17:30)
定休日 / 月・火・日曜日
TEL / 0766-72-0040
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