INTERVIEW #

15

氷見の街に漂う、優しいカレーの香り

仲 有紀さん(ひみつカレー)

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  • Iターン
  • カレー
  • 開業
  • 飲食

2021.02.26 UP

氷見の街の外れに、食欲をそそるカレーの香りが漂う。今年で10周年を迎えるテイクアウト専門の小さなお店『ひみつカレー』は、昼頃になれば近隣で働く人やご近所さんが次々と訪れる、氷見にとって無くてはならないお店のひとつになっている。お店の雰囲気も、カレーの味もどこか優しい雰囲気が漂っている『ひみつカレー』で、店主の仲さんにお店のことや氷見への思いについて伺った。

– 仲さんは『ひみつカレー』を始める前から、カレーに関係するお仕事をされていたんですか?

仲:いえ、全然です(笑)。芸術大学を出たので、漠然と何か芸術に関わる仕事が出来ればと思い、東急ハンズ、こども写真館、映画館のマネージャーなど色々な職場を転々としていました。大阪出身なのですが、カレーに携わるようになったのは、氷見に引っ越してきてからですね。

– これまでの知識や経験が『ひみつカレー』に活かされている部分はありますか?

仲:大学時代は色々な物を吸収したいと思っていたので、無理して意味もよくわからない本を読んだり、写真展を見に行ったり、お芝居を見に行ったり、お金がない中でもそういうことは積極的にやるようにしていました。今になってその時期に経験したことや考えていたことが、自分の素地になっているなと感じます。
お店の経営になると、小さなことから大きなことまで色々な判断に迫られることが日常的にあります。「何が良くて、何が悪いか」という自分の中の判断基準が、その時にある程度出来たので、今でもそういう場面で役に立っている実感はありますね。

お値段も優しいこの日のメニュー。

本日のまかない 550円

– 2019年の6月には、富山市に『ひみつカレー 古沢店』も開店されました。それにはどんな思いや経緯があったのですか?

仲:『ひみつカレー』をもっと多くの方に味わってもらいたいという思いから、かねてから富山市に進出してみたいという気持ちはありました。そんな時に、たまたまお付き合いのあった『引網香月堂』さんから「古沢に出店してみたらどうか?」というお話を頂き、色々とやり方を模索して「これならできそうだ」という経営のイメージを持てたので、『ひみつカレー 古沢店』を開店するに至りました。その時に氷見のお店は畳んで富山市に完全移転しようかなとも思ったのですが、ここで働いてくれるスタッフ、お店に通ってくれるお客さんのことを考えると、申し訳ないし、自分自身もそれがすごくつらかったんです。そこで両店での営業を決意し、調理は全て氷見店で行い、古沢店は販売だけのお店にすることにして、毎日出来立てのカレーを氷見から富山まで運んでいます。

仲さんのお子さんが描いたイラストがかわいいエコバッグ。

– 全く馴染みのない土地でお店を出すことは、不安もあったと思います。Iターンならではのやりづらさはありましたか?

仲:氷見って外から来た人であっても、一生懸命やっている人に対してはすごく応援してくれる人情みたいなものがある街だと思います。私は氷見の外から来た身ですが、それが理由のやりづらさは感じたことがないですね。

– 仲さんから見て、これから氷見がどういう町になっていって欲しいですか?

仲:氷見は公共交通機関が少ないので増えてほしいなと思いますね。利用者が少ないので運営が大変というのもわかるのですが、例えばタイのトゥクトゥクみたいな小型の乗り物を巡回させるのでも良いと思うんです。特に山間部などに住むお年寄りの方などは買い物すら大変な状況だと思うので、移住者を受け入れるような政策に力を入れることも大事だと思うのですが、まずは今氷見にいる人たちの幸せや暮らしを考えてほしいなと思います。ここにいる人の満足度があがれば、自然と外から氷見に来てくれる人も増えるんじゃないかな。

ひみつカレー 氷見店

住所 / 富山県氷見市朝日丘9-20
営業時間 / 11:30〜18:00
定休日 / 月・土・日曜日
TEL / 0766-74-6616

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