INTERVIEW #

29

共に学び、成長していく塾講師

澤井晴子さん(澤井塾)

KEYWORDS

  • Uターン
  • プログラミング
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  • 教育
  • 起業

2024.03.15 UP

近年、若者や移住者による新規出店が目立っている中央町商店街。その一角にある「澤井塾」は、小学生から高校生までの学生が通う学習塾だ。代表の澤井さんは、これまで約300人以上の学生を指導してきた、この道30年以上のベテラン講師。現在は、小・中・高の英数クラスのほかに、プログラミング教室を主宰している。生まれ育った氷見の土地で、子ども達に学びの場を提供してきた澤井さんに、学習塾創業のきっかけや塾生との向き合い方について伺った。

取材・文 / 一川有希

氷見市の学習塾澤井塾

ー「澤井塾」創業のきっかけを教えてください。

昔から英語が好きで、いつかは英語を活かして働きたいと考えていました。金沢の短大卒業後、両親の勧めで氷見に帰ってくることを決めましたが、なかなか英語を使う就職先が見つからず、地元の銀行に就職しました。しかし、銀行の仕事が自分と合わず、すぐに「なにか自分で始めよう!」と思ったんです。その後、知り合いの塾で講師として働き、23歳のときに澤井塾を立ち上げました。いま思えば若くてなにも考えていなかったからこそ、勢いで創業できたのかもしれません(笑)。

ー創業当初は英語だけを教えていたのですか?

そうです。もともとは中学生を対象とした英語塾として創業しました。教えていく内に「数学も分からない」と塾生が言うので、苦手だった数学を一から勉強し直し、英語と数学を教えるようになりました。それからも塾生や塾生の親からの「〇〇してほしい」に対応していった結果、どんどんクラスが増え、現在の形になっています。なかには小学校から高校卒業まで通ってくれる子もいますね。成長の過程を近くで見てきているため、塾生が卒業するときは本当に寂しいです。長期休暇には、卒塾生がアルバイトの講師として戻ってきてくれることもあります。



ー塾生の要望に応じて徐々にクラスを増やしていったんですね。ちなみに、小学生クラスではどんなことを教えているのですか?

小学生クラスの「さわいじゅく」では、「ことば」と「かず」を育むために、パズル感覚で解くことができるワークなどを用意しています。特に学びにおいて、ことば(国語)はとても大切だと思っていて、問題文の意味を理解することができなければ、総じて学力は伸びていきません。「国語は日本語だからなんとかなるだろう」と、わざわざ塾に通わせる家庭も少ないと思います。まずはゲーム感覚で楽しく文章問題を解きながらしっかりと学びの土台を作る。そうすることで、小さい頃から学ぶ楽しさを感じてもらうことができると思っています。

ー塾に入るときに気づいたのですが、入口になぞなぞが掲示されていますよね。これも小学生クラスのためでしょうか?

はじめは通行人に塾のことを知ってもらうために、広告看板を作ろうと思っていました。ただ、「宣伝するだけでは面白くないだろう」と、試しになぞなぞを書いてみることにしたんです。毎日朝になぞなぞを1問書いておいて、帰りの時間に合わせて答えを掲示しています。それがとても好評で、子どもだけではなく、近所の飲食店の従業員さん達も楽しみにしてくれているようです(笑)。なぞなぞは柔軟な発想力が求められますし、勉強だけでは育むことのできない想像力や思考法を身につける機会にもなります。今では、私も楽しみながら問題を出していますよ。

氷見市の学習塾澤井塾

ーお話を聞くなかで「楽しく学ぶ」ことを大切にされていると感じました。勉強のモチベーションを高めていくためにも、塾ではどのようなサポートを行われていますか?

正直、勉強に対するモチベーションを上げるのが一番難しいです。まずは「今後どんな人生を送りたいのか、将来どうなっていたいのか」と本人が考え、目標を持ってもらうことを意識しています。ただ、目標が決まっていない子も多いので、まずは将来のイメージを持ってもらうためにも、オープンハイスクールやオープンキャンパスに行くことを勧めています。また、これは長年やってきた強みだと思いますが、希望が多い近隣県の大学に卒塾生がいることも多いんです。「〇〇大学行きたいなら、〇〇さんに連絡取るから、どんな大学生活を送ったのか、どうやって勉強したのか聞いてみられ」と、塾生と卒塾生を引き合わせることもありますね。

あと大切にしているのが、結果だけではなく、過程をしっかり見てあげるということです。「分かった」と言っていてもそれが本当に理解しているものなのか、どう勉強したのか、いまどんな状態なのか、塾生一人ひとりと向き合いながら指導しています。たとえ受験が失敗したとしても、努力したことは必ず次につながります。塾生に「努力はしたもん勝ち」と話すこともありますが、後悔してほしくないからこそ、できる限り頑張れる環境を用意し、努力の過程を見守るようにしています。

プログラミング教室のある氷見市の学習塾澤井塾


ー澤井さんは、2021年からプログラミング教室も主宰されていますよね。プログラミング教室をはじめようと思ったきっかけは何だったのでしょうか。

きっかけは、塾生がプログラミングを学ぶために富山市まで通っていると聞いたことです。いまやプログラミングは、小・中・高の必修科目になっていますし、論理的思考法は社会に出ていく上で必要になってくるスキルです。「富山市まで行かなくても、氷見で学べる場を作りたい」と、外部講師を招き、教室をはじめました。私自身もプログラミングはしたことがなく、塾生と一緒にゲームやロボットを作りながら、共に学んでいきました。

大げさかもしれませんが、これからの時代はプログラミングやアプリを作れるスキルを持っているということは、世界を変える力になるかもしれません。氷見のような地方でも、子ども達にとって必要となる学びの場を、できる限り提供していきたいと思っています。

ー最後に、澤井さんが思う仕事のやりがいを教えてください。

やっぱり一番は、塾生の成長を目の当たりにしたときですね。「成績が上がった」「希望校に受かった」と報告してもらえたときは、本当にうれしいです。頑張りを横で見守ってきた分、喜びもひとしおですね。この仕事は、「ここまでしたから終わり」というものではなく、教える講師側も一緒に成長していくことが求められていると思います。英語だけだった塾が、数学やプログラミングを教えるようになったように、これからも貪欲に学び、塾生と共に成長していきたいと思っています。

氷見市の学習塾澤井塾

澤井塾

住所 / 富山県氷見市中央町11-34
駐車場 / 無
電話 / 090-1319-5987

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