INTERVIEW #

19

一人一人の個性に向き合う、自立支援の場

石川真一さん(ロシナンテ♪)

KEYWORDS

  • 福祉
  • 自立支援
  • 開業
  • 雑貨

2021.03.04 UP

色鮮やかな、さをり織りの織物や、どこか愛くるしい雑貨が「みなとがわ倉庫」の一角に並んでいる。この手作りの作品たちは、『ロシナンテ♪』に通う障がい者の方たちが作ったもので、作品が販売されている部屋の裏には障がい者の方が集まって作品を作る工房がある。この『ロシナンテ♪』という障がい者の自立訓練の場を開いて10年という石川さんに、福祉の仕事について、福祉を通したまち創りについて伺った。

– そもそも石川さんは、どのような経緯を辿って福祉の道に入ったんですか?

石川:小さい頃から野球が好きで、高校時代も野球部でホームランを打ったりと野球が得意な自負はあったんです。その後、なんとなく福祉大学に進学して、そこでも野球部に入ったのですが、そのレベルの高さに驚愕し挫折を味わい野球を辞めてしまい、ボランティアサークルに入って、月に1〜2回、老人ホームや障害者施設、児童擁護施設に訪問しながら、ほぼパチスロとアルバイトの日々を過ごしていました。
やがて就職を考える時期になり、射水市の福祉施設の採用試験をこれまたなんとなく受けたら受かってしまったんです(笑)。 そこから15年、大きな施設で福祉の事業に携わり、39歳の時に『ロシナンテ』を立ち上げました。

– 福祉の現場で実際に働いてみてどうでしたか?

石川:自分は障がい者施設に勤務したのですが、勤務をはじめてすぐにいきなり障がい者の方に頭をかじられてびっくりしました(笑)。しかしそういった経験を通して、一人一人の特性から行動を考えると何か原因が見えてくることがわかったんです。その鍵を見つけて症状が無くなったり、和らいだりする経験を重ねてだんだんとこの仕事にやりがいを感じるようになってきました。障がい度の高い方も、その困りごとを理解することで、二次的な障害が起こらないように務めています。

– 障がいを持った方の自立支援を行う『ロシナンテ♪』では、具体的にどのようなことを行なっているんですか?

石川:障がい者の方は抽象的な表現が苦手な方が多いので、なるべく具体的なプランをたて、具体的にそれを伝えて、一人一人の特性にあわせた作業をしてもらいます。無理に同じことを全員に強制してもストレスを重ねるだけなので、それぞれにあった支援を考えています。
具体的には、さをり織りを織って、それを商品として販売することで経済的な自立を支えるような取り組みなど行なってます。さをり織りには失敗がなく、欠陥品もありません。既成観念にとらわれず、それぞれの個性で織りこんでいくことができるので感性豊かな作品が出来上がります。

ひとつとして同じ模様はない、個性豊かなさをり織り。

– 福祉を通してまちを創るということはどういうことでしょうか?

石川:これからの高齢化社会では、一人が一人の高齢者を支える世の中になっていきます。しかし高齢者を支える一人には障がい者の方をはじめ様々な困難を抱える方がカウントされています。障がいを持つ方=「支えられる人」ではなく、その人らしく出来る事を育てて、地域の中で役に立てるポジションを見つけることで、地域を「支える一員」として参加できるまち創りのお手伝いができればと考えています。福祉は「思い」だけではなく、新しい価値観をもって、理論立ててやっていくことが大切だと感じますね。

NPO法人ロシナンテ♪

住所 / 富山県氷見市朝日本町23番地20
TEL / 0766-54-6181
e-mail / donkihoote@onyx.ocn.ne.jp

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