INTERVIEW #

04

無価値と思われている物に価値を与える

伊藤昌徳さん(家's)

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2020.03.27 UP

北海道出身、『家’s』を起業し、高岡でゲストハウスを経営しつつ、氷見にアンティークの箪笥店を構える伊藤昌徳さん。その経歴を文字で追うだけでは、たくさんの『?』マークが脳裏を過ぎるが、なんだかおもしろそうな人であることに間違いはない。伊藤さんに、アンティークの箪笥のこと、起業家としてのその溢れるエネルギーについてお話を伺った。

– まずはアンティーク箪笥のお店を始めるに至った経緯を教えてください。

伊藤:もともとは北海道出身で、東京の就職支援会社に勤務した後、ひょんなきっかけから高岡でゲストハウスを経営することになりました。そのゲストハウスは古民家を改築した物件なんですが、改築工事の際に出たたくさんの古い家具が、不要物としてしか見られていない現状を目の当たりにし、「無価値と思われている物に価値を与えたい」と思うようになったことがアンティーク箪笥のお店を始めるきっかけになりました。

– 色々あるアンティーク家具の中でも、なぜ箪笥専門のお店を始めることにしたんですか?

伊藤:まずは、単純に「箪笥ってめっちゃかっこいい・・・」と思ったからです(笑)。そして日本の家具といえば、やっぱり箪笥ですよね。この仕事を始めてから分かったのですが、時代や地方によって様々な作りの箪笥があってとてもおもしろいんです。富山はわりと素朴な佇まいの箪笥が多いですね。箪笥自体の魅力もそうですが、箪笥から見える日本の歴史や文化を伝えたい気持ちもあります。

所狭しと積み上げられたアンティークの箪笥や和棚。

– 一つ一つの箪笥をよく見てみると、綺麗に磨かれているだけでなく、現代の住宅内装にもあうようにリメイクされた物もありますね。

伊藤:箪笥は本当に個性が豊かで、それぞれの個性にあわせて、家具職人、椅子職人、ドライフラワー作家、画家といったクリエイターさんの力をお借りしてリメイクしています。モダンな内装の中にも、アンティークの和箪笥がひとつ入るととても映えるんですよ。

日本製品を求める外国人の方も、最近ではその質より価格が安いということが大きな理由になっていると感じます。だからこそ日本の風土と職人の技が作り出したこの箪笥を、世界に向けて届けていきたいと思っています。

– 伊藤さんは、ゲストハウスやアンティークの箪笥店と、どんどん新しいことにチャレンジされています。起業家として大切にしていることは何ですか?

伊藤:とりあえずやる。大きな戦略的思考や細かな戦術論よりも、チャレンジマインドが何より大切だと思います。失敗もたくさんしてきましたが、まずはなんでもやってみなければわかりません。氷見にもまだまだ新しい価値を創出できるチャンスが山のようにあると思っています。

家's

住所 / 富山県氷見市朝日本町12-22
   みなとがわ倉庫#3
HP / https://yesantique.official.ec/

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